スープのベースは毎朝6時から作る。牛骨を6時間煮出して、野菜を加えて、塩とコショウだけで味を整える。前日の残りは使わない。なぜそうするのか、聞かれることが多いので書いておく。

前日の残りを使わない理由

煮出したスープは、時間が経つと味が変わる。特に骨から出るゼラチン質は、冷やして再加熱すると風味が落ちる。微妙な違いだが、毎日食べている人には分かる。前日の残りを使えばコストは下がるが、それをやり始めると、どこかで妥協が始まると思っている。

牛骨の仕入れ先

牛骨はハルトマン農家ではなく、近くのミュールタール精肉店から仕入れている。ハルトマン農家は豚を育てているが、牛は扱っていない。精肉店のオーナー、ハンス・ブレヒトさんとは2012年から取引している。毎週月曜日に翌週分の骨を予約する。

6時間煮出すとどうなるか

最初の2時間は強火で、残り4時間は弱火で煮出す。途中でアクを取る。6時間経つと、スープが濃くなって、骨の周りの肉がほぐれてくる。その肉はスタッフの賄いに使う。スープ自体は裏ごしして、野菜を加えて仕上げる。野菜はハルトマン農家のセロリ、ニンジン、玉ねぎ。

夏でも毎朝煮出すか

夏でも変えない。暑い日にスープを頼む人は少ないが、それでも毎朝煮出している。スープを注文する人が少ない日は、余った分をスタッフが持ち帰る。無駄にはしないが、作る量を減らすことはしない。毎朝同じ時間に同じことをすることが、店の骨格だと思っている。

毎朝6時に厨房に入って骨を鍋に入れる。それが2011年から変わらない一日の始まり。スープの味は、その積み重ねだと思っている。