開店した2011年から、同じ酵母を継ぎ足してライ麦パンを毎日焼いている。途中でやめようと思ったことが一度だけある。2016年の夏、酵母の状態が悪くなって、3日間うまく膨らまなかった。それでも続けた理由を書く。
ライ麦70%という配合にした理由 ¶
最初はライ麦50%から始めた。食べやすさを考えてのことだったが、焼き上がりが軽すぎて、スープや肉料理に合わなかった。少しずつライ麦の割合を増やして、70%に落ち着いたのは開店から半年後のことだった。70%を超えると生地が扱いにくくなる。70%がちょうどいいバランスだと今でも思っている。
酵母を継ぎ足すとはどういうことか ¶
毎日、前日の生地の一部を残して、新しい粉と水を加える。これを繰り返すことで、酵母が生き続ける。2011年から続けているので、今の酵母には15年分の歴史がある。旅行や長期休暇のときは、酵母を冷蔵庫で休眠させる。2週間以上休ませると、戻すのに数日かかる。
2016年の夏に起きたこと ¶
2016年の7月、酵母の状態が突然悪くなった。パンが膨らまず、酸味が強すぎる状態が3日続いた。原因は厨房の温度が高すぎたことだと後で分かった。夏の暑い日は、酵母の発酵が速すぎて管理が難しくなる。今は夏場だけ、仕込みの時間を1時間早めている。
毎日焼くことのコスト ¶
毎日焼くと、売れ残りが出ることがある。残ったパンは翌日には出さない。スタッフが持ち帰るか、近くの農家に渡す。食材を無駄にしたくないが、前日のパンを出すことはしない。それがコストとして出るのは分かっているが、変えるつもりはない。
パンだけを目当てに来る人がいる ¶
テイクアウトのスープとパンのセット(€9)を毎週土日に買いに来る常連がいる。パンだけを買いたいという問い合わせも時々あるが、今のところ単品販売はしていない。スープとセットで出すのが、自分たちの考え方に合っていると思っている。
毎日焼くことは、手間がかかる。でも、それをやめる理由が見つからない。2011年から続けていることが、今の店の一部になっている。